定食、プラス一品 | 映画ジャンキーのつぶやき

定食、プラス一品

【ボーン・スプレマシー】

<2004年・アメリカ>
●監督/ポール・グリーングラス
●出演/マット・デイモン、カール・アーバン 他


前作「ボーン・アイデンティティー」の続編。
インドで恋人と暮らしていたジェイソン・ボーンは
陰謀に巻き込まれ、恋人を失う。
ヨーロッパ、ロシアを舞台に、ボーンと組織との
対決が繰り広げられる…。

「ハリウッド」「スパイ映画」。
このキーワードだけで、内容はなんとなく想像
できてしまうところがある。
追いつ追われつのアクション、銃撃戦、
あるいはち密な頭脳戦、内部の抗争。
この映画もお約束にもれず、これらのメニューは
含まれている。いわば定食メニュー。

しかし、このシリーズをただの定食映画に
終わらせていないのが、「記憶喪失のCIA暗殺者」
という主人公の設定だ。
このプラスαの部分が、映画の影となって、
物語に深みを与えている。
ボーンは過去に自らが関わった作戦の失敗が
トラウマとなっており、度々そのシーンが
フラッシュバックする。
この映画はスパイ映画であるとともに、
主人公が過去を取り戻すための、自分探しの
物語でもあるのだ。

ヨーロッパが舞台のためか、
どこか重々しい空気が、
作品の空気とよくマッチしている。
カーアクションシーンなどもかなりの迫力。
しかし前作に比べると、少々欲張りすぎの感も
否めない。殺し屋をはじめ、CIA諜報員その他、
ボーンを巡り様々な人物の思惑が入り乱れ、
誰が、何のために、どう動いているのかが、
わかりにくいのだ。
特に前作を未見の人は、
かなり混乱するのではないだろうか。
これから見ようという人は、ぜひ前作を見てから
本作に望むことをおすすめする。

このシリーズは全3部作の予定だそうだ。
ボーンの正体がすべて明かされるであろう、
次回の完結編に期待したい。


■個人的ハマリ度 ★★★(★5つが最高)
 
タイトル: ボーン・スプレマシー